頚椎症性脊髄症を引き起こす病態をさらに紹介します。後縦靭帯骨化症という病態があります。背骨の中には椎体という部分があり、椎体の後方には後縦靭帯という靱帯が誰にも存在します。その靱帯が骨になってくる方がいます。その名前のとおり、後縦靭帯が骨になってくる(骨化)ので後縦靭帯骨化症と言います。靱帯が骨になって頑丈になるから良いのでは?と思われますが、なかなかそうは行きません。前述したように後縦靭帯は椎体の後方にありますので、すなわち脊髄の前方にあることになります。柔らかい靱帯ではなく、硬い骨が出来ますので後縦靭帯骨化症が大きくなると脊髄に非常に強い圧迫が起きてきます。
 後縦靭帯骨化症は英語で記載するとOssification of Posteior Longitudinal Ligamentと言います。頭文字を取ってOPLLと省略することがあります。
 ではまた。
 注意:後縦靭帯骨化症を頚椎症性脊髄症に含めるかどうかについては異論があると思います。勿論、後縦靭帯骨化症を独立した病態と考えるのも妥当と考えます。私は国分正一先生が提唱された頚椎症性脊髄症に則って述べています。当ブログは一般の方々向けに記載しておりますので併せて御了承ください。