小児上腕骨顆上骨折が凄く小さい(ヒビ)場合、打撲と骨折の診断が付けられない時があります。打撲と骨折の違いは大きいです。特に小児は意思表示できない事が多いので、レントゲン写真から診断を付ける必要があります。MRIを撮影したら良いのではという意見がありますが、大人と異なり小児ではMRIを撮影するために麻酔をかける必要がありますので、MRIは余程の場合のみに適応となります。
 骨は折れると出血します。正常時は肘の前面に平坦な脂肪(関節包の外)があります。しかし、骨折すると関節包の中に血が溜まり関節包が膨れてきます。そして膨れた関節包が関節包外脂肪を押し上げるため、関節包外脂肪が立ってきます。この立ち上がった関節包外脂肪のことをFat pad signと言います。このFat pad signをレントゲン写真で見つけるようにします。文章では分かりにくいと思いますので、下記のイラストを御参照下さい。Fat pad sign陽性の場合は骨折と診断できますので、ギプス固定が必要になります。
 では、また。