先日拝聴したあるWeb講演会によると、転倒時に手が出て受け身を取れる方ですと手関節骨折が起きてくるのですが、転倒時に手が出ずに受け身を取れない方は大腿骨近位部骨折が起きてくるという考え方があるようです。そのため統計上、手関節骨折の方が大腿骨近位部と比較して発症年齢は若くなります。手関節骨折の時点で骨粗鬆症を発見して治療をすることで大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の将来の発症リスクを抑えましょう、という趣旨でした。個人的には賛同できる考え方と思っています。
 骨粗鬆症の治療は大きく分けて、①注射、②飲み薬になります。①注射の効能は強いのですが、制約と制限がきついです。毎日の自己注射・週に2回の自己注射・週に1回の通院注射は2年間投与、月に1回の通院注射は1年間投与となります。そのため、継続が大変です。注射満期完了に伴い骨粗鬆症治療を終了してしまうと骨密度が下がってしまう恐れがあるとされているので注射完了後は、半年に1回の注射もしくは飲み薬が必要になります。②飲み薬の効能は弱いのですが、制約と制限が軽いです。毎日・週に1回・月に1回の飲み薬があります。そのため、継続しやすいです。可能ならば注射で始めて、飲み薬に移すというのが現状では最も良いと思いますが、最終的には個々の方の御都合によってくると思います。
 ではまた。