大腿骨近位部骨折が起きると手術をしても痛みで直ぐに動けるようになるわけではありません。そして、経過中に様々な合併症を併発してきます。①床ずれ、②肺炎、③膀胱炎などの感染症が問題です。感染症で発熱すると体調を崩してしまうのでリハビリテーションが出来なくなります。また、入院すると自宅と異なる為に④不安定な精神状態(認知症、昼夜逆転など)になってしまう事も問題です。リハビリテーションを理解できず、リハビリテーションに対する意欲が低下してきます。こういった事が複合的に絡まって大腿骨近位部骨折を起こすと手術をしても寝たきり状態なってしまう方がいらっしゃいます。
寝たきり状態になると上記の①床ずれ、②肺炎、③膀胱炎が繰り返し起きてきます。感染症でますます体力が削られ心臓や呼吸が弱り最終的に亡くなります。そのため、御高齢者の大腿骨近位部骨折は死亡リスクのある危険な疾患と言えます。
では、また。