腰椎椎間板ヘルニアに対する治療法の一つに椎間板内酵素注入療法というものがあります。比較的新しい治療法で2018年に使用開始となりました。治療の位置づけは薬・ブロック注射といった保存治療と手術の中間です。具体的には痛み止めの薬を内服してもブロック注射を受けても痛みが取れないが、手術まで踏み切れない方が対象となります。
 具体的には、レントゲン透視(リアルタイムで放射線を出す機械)を用いてヘルニアが出ている椎間板に針を刺してコンドリアーゼ(ヘルニコア®)を投与します。手技は容易であり、脊椎を治療している医師であれば可能と思います。
 コンドリアーゼは椎間板内にある髄核の保水能を低下させ、椎間板内圧を低下させることでヘルニアによる神経圧迫を軽減させることで神経症状の改善を目指すものです。ただし、使用制限があります。基本的には手術可能な施設でのみ(当クリニックではしていません)、1回のみ、靭帯下突出型のみに使用可能であり、20歳以下、不安定性のある脊椎には適応外となっております(この薬剤が販売開始された当初の適応しか知りませんので、詳細は担当医の先生と御相談下さい)。
 では、また。